彩寿会
2025年に創立50周年を迎えます。
第17回秋季展WEB2020
松野 淳
「不連続統一的構図」
油彩 2608×1590
「不連続統一」は吉阪先生の言葉です。個人の独立性を失わない全体像の在り方をのべたものだと私は解釈しています。建築会だけで通じる言葉ですが。
今回の油彩は人物像4つを並べて構図を構成したものですが元多摩美術大学教授のモダンアートの作家である田中先生のアドバイスもあって中央に立像2枚、両端に座像1枚ずつを配置した凸型の全体構図としました。
それぞれが独立した人物像でありながら(部分詳細2参照)中央2枚でもまた構図が成立し(部分詳細1参照)全体が凸型の強い対称形の家形をとることで古い西欧の教会の宗教画もしくはギリシア神殿の破風の彫刻群を想起させる全体像を目指しました。
左の1枚と中央2枚左側の2か所にサインしたのはそれぞれの独立性を表現したかったからです。
「部分詳細1」
油彩 1304×1590
「不連続統一邸構図」の中の中央2枚です。同一モデルでコスチュームとヌードをお願いできた珍しいチャンスだったので、何として物にしたいという気持ちで描きました。
F15号3枚ずつで構成していますが、1枚ずつでも成立しないか考えました。
同じ黒や青でも絵の具の種類を変えているのはその意図があります。現実に全体を描かない場合には顔だけとか上半身のみという構図をとりますし、日常人を認識する場合体全体を見ることは稀ではないでしょうか。
「部分詳細2」
油彩 652×1060
「不連続統一邸構図」の中の左1枚です。コスチュームの座像になります。右の一枚は背面です。
もともと宅配便の時間指定できるサイズでF15号の組み合わせを始めましたが来年からまた50号程度のサイズに戻そうかと考えています。
そうしないと結局複数の人物を1枚の絵の中で構成する勉強にならないからです。とはいえF15からF20にサイズアップするところから開始です。因みに油彩の大学受験では武蔵野美術大学F15号、多摩美術大学F20号、東京藝術大学F30号です。